北海道積丹半島 神威岩(奇岩百景,未登録)と神威岬。 海は,積丹ブルー。
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newsletter112[pdf]
【事務局報告】
平成28年度(第13期)総会報告
 下記の通り,平成28年度総会が開催致され,予定された全ての議案が承認・議決されました。 これも会員各位のご協力の賜物と,執行部一同深く感謝申し上げます。
 日時:平成29年6月2日(金) 13時30分 ~ 14時20分
 場所:飯田橋レインボーホール 1階1A会議室
 成立:出席27名,委任状32名,計59名。正会員数77名。 過半数出席のため総会は成立
 議事:
   第1号議案 平成28年度事業報告承認の件              報告通り承認
   第2号議案 平成28年度決算及び監査報告並びに承認の件    報告通り承認
   第3号議案 平成29年度事業計画(案)承認の件            原案通り承認
   第4号議案 平成29年度予算(案)承認の件               原案通り承認
   第5号議案 役員改選承認の件                      原案(下記)通り承認
     理事 秋山 泰久氏(留任),小野日出男氏(新任),古宇田亮一氏(留任),長瀬 雅美氏(留任),中田 文雄氏(留任),黛 廣志氏(留任)
     監事 土屋 彰義氏(新任)
   その他 無し
 議案書(確定版)は,http://www.gupi.jp/GupiReport.html で公開致しております。
【事務局報告】
通算59回 平成29年度臨時理事会開催報告(概要)
 日時:平成29年6月2日(金)14:20~14:30
 場所:飯田橋レインボーホール 1階1A会議室
 出席:秋山理事,古宇田理事,長瀬理事,中田理事,黛理事,土屋監事
 議題:役員人事決定の件                  下記の通り議決
      会 長 中田 文雄 理事
      副会長 古宇田亮一理事
  理事会の議事録は http://www.gupi.jp/GupiReport.html で公開しています。
【事務局報告】
意見交換会「地質技術者の新たな役割」開催報告
最近の地盤災害の多発により,国土交通省は社会資本整備審議会の中に小委員会を立ち上げ,地盤情報の統一的な管理等について検討を始めました。こうしたなか,地質技術者には新たな役割が求められることになります。当機構が地質技術者の育成事業にどう係わるべきかなど,当機構の今後の活動の方向性を探るべく,下記の通り意見交換会を開催しました。

<開催概要>
 主 催:特定非営利活動法人地質情報整備活用機構
 日 時:平成29年6月2日(金) 14時40分 ~ 16時50分
 場 所:飯田橋レインボーホール 1階1A会議室
 参 加:50名
 コメンテーター:
     岩﨑 公俊氏(一般社団法人 地質調査業協会連合会 技術委員長)  「国の動向と全地連の対応について」
     黛   廣志氏(機構 理事)                           「当機構のジオ・アドバイザーの活動について」
     永野 正展氏(当機構 前監事)                        「地方の役割について」
     大島 洋志氏(当機構 前会長)                        「地質リスクについて」
 コーディネーター:
     長瀬 雅美氏(当機構 理事)
<開催状況>
各氏の発言要旨を以下に記載します。
 ① 岩﨑氏:H27年の横浜マンション基礎杭問題とH28年の福岡駅前道路陥没事故を契機として,国土交通省は「官民の地盤情報の共有化」と「その情報を活用した地質リスクのアセスメント」などが重要であると認識した。 一方,10年ほど前から全地連は,地盤に関連した施行トラブルの多発に対処するためには,「地質リスクはリスクマネジメントの必要性から入るべき」との立場から,「地質リスクマネジメント」,「地質技術顧問」や「リスクコミュニケーション」の重要性を訴え続けてきた,などをお話になった。
 ② 黛氏:H24年7月にジオ・アドバイザーの募集を開始した。 現在11名が登録しており,新築工事に伴う隣接ブロック塀の変状に関する原因検討と再発防止に向けた提言,高盛土施工管理第三者委員会などの活動実績がある。一方,H26年6月以降,地質リスク・エンジニア(GRE)の養成講座を開設した。 計3回実施した講習会によって,現在43名のGRE認定技術者が生まれた。 国交省がプロホーザルで発注する「地質リスク調査検討業務」においてGREが必須資格になることを期待している,などをお話になった。
 ③ 永野氏:平成28年9月,氏が理事長を務められている全国地質調査業厚生年金基金は,全国そうごう企業年金基金へ移行した。 その最大の理由は,地質調査業の従事者の減少が予測されるため,解散年金基金からの受け入れを行うなど,分母の増加を狙ってのことである。 地方では,人口減少により成立しがたい業種が続出するであろうという地方の現状を踏まえ,地方に住する地質技術者にどのような新たな役割を与えれば,持続可能な未来をデザインすることができるか,という大きな問題を提起された。
 ④ 大島氏:福岡市営地下鉄博多駅前陥没事故などを例として,地質リスクを見逃さないトンネルの路線選定のためには,路線選定段階の地質調査が最も大切であること,路線を比較検討する段階では,地質条件も選定の重要項目にすると共に,地質技術者を参加させて,広域に把握する姿勢が大切であること,路線を決める際に重要なことはその時点で地質的なリスクがあることを発注者側が認識すること,更に歴史と経験に学びつつこの「観る目」をもった地質技術者を意識的に育成すべきである,などをお話になった。

  各氏の発表後にはフリートークの討論会に移行しました。参加者からは,極めて活発な質問や意見が出ましたが,「記録せず」としたため,ここでは省略します。
 各氏の発言内容と参加者からの質問・回答と意見を踏まえ,新任の中田会長から以下に示す内容のお礼の言葉がありました。
  ・広域的な堆積環境を解釈するためには,例えば「貝がら混じり」といったキーワードが重要であるが,自分がまとめた某ボーリングデータベースでは,土質名(岩石・土名)よりも,記事の中に記載されている方が多いことがわかりました。しかし,技術者や会社によって記事の書き方(水準)が異なるため,DB化に大きく支障が生じています。
  ・地質リスクを検討・評価するためには,既存の地質資料を提供できる仕組みやシステムも必要でしょう。
  ・今回,寄せられた多岐にわたる有意義な意見を,先の総会で認められた新規事業の詳細計画に反映させたいと考えています。7月下旬頃に開催を予定している理事会では,これについて十分な議論を行って行きます。
【おしらせ】
大島前会長が顧問に就任されました
 本機構定款第22条第2項の規定に則り,大島前会長の顧問委嘱を電子メール理事会で議決し,大島氏が顧問就任を承諾されましたので,ここにお知らせ致します。
 大島氏は,当機構の草創期であった第1期から第3期の間理事を務められたこと,第12期と第13期は会長職を務められたこと,2014年10月31日開催の10周年記念式典において,地質案内投稿功労者として感謝状(大矢賞)を送られたこと,などが顧問をお願いする主な理由です。
 今後益々重要視される「地質リスク」などについて,ご相談させていただければと考えています。
【事務局報告】
地形断面図用「距離-標高データ」自動取得ウェブサイト 開設のお知らせ
 GUPIでは「電子納品支援,二次利用支援システム」を開設・運用していますが,この程地形断面図を描く時に必要な「距離-標高データ」を,国土地理院APIを利用して自動的に取得するウェブサイトを開発し,公開を開始しました。
 URL: http://www.web-gis.jp/NouhinCheck/section-elevation.html

初期画面。右下に国土地理院地図が表示されれば,正しく機能しています。 イメージをクリックすると拡大します。
 概略手順以下に示し,説明の代わりとします。
① 平面直角座標系の系番号を選択すると,選択した系の原点に地図が移動します。
  再処理などの場合では地図が移動しない場合があります。 一番上に表示される「選択」を選んでから,必要な系番号を選んでください。

系番号を選択するだけで,地図が選択した系の原点に移動します。 図は「9系」の例。
② 地図を適宜移動・拡大させて,始点と終点の位置をそれぞれセットします。 系番号の直下に始点と終点の座標(緯度・経度と平面直角座標
  系のX軸値とY軸値)を表示します。セット間違いの場合には[クリア]ボタンをクリックしてください。

図は,終点の位置をセット(左クリック)した直後。



③ 断面線上の標高取得点数(分割数)を入力し,
  断面線設定ボタンをクリックすると,断面線を
  描画すると共に,その中心位置に地図が移動
  します。
④ 取得開始ボタンをクリックすると,国土地理院の標高APIを利用して,断面線の標高データを自動的に取得します。 

 標高データを自動取得した例。 イメージをクリックすると拡大します。
データの並びは左から,測点番号,経,緯度,始点からの水平距離,標高。
⑤ [ダウンロード]をクリックすると,取得したデータをCSVファイルとして保存できます。以下(左)は,EXCELで整形した例です。

(左)保存(ダウンロード)したデータをEXCELで整形・表示した例。



 [ダウンロード]リンクをクリックすると,ファイル保存用のダイアログボックスが表示されます。
⑥ 標高データの所得が終了すると,地図枠の下に簡易的な「水平距離-標高グラフ」を描画します。 ブラウザがFirefoxの場合,イメージデータとして保存できます。

簡易表示した水平距離-標高グラフ。  距離枠は不変,標高枠は整数で丸められます。

⑦ 通信回線(例,混み具合)などの理由により,取得開始から数個の間で,取得したデータが狂うことがあります。 そのまま[取得開始]ボタンをクリックすると,再び標高データを自動取得します。
 データ保存後,必要な部分のみ採用して下さい。
注 グラフ(プロット)が乱れることがあります。グラフイメージを使用する場合は,再処理して下さい。



最初の4個のデータ通信に不具合が生じた例。
   [取得開始]により,継続して取得が可能。
⑧ おことわり。
 ・本処理ページは開発中のため,不具合等により突然仕様を変更する場合があり得ます。
 ・都市部などでは,航空機搭載型のレーザプロファイラによる5mDEMを基にした推測標高値として得られますが,それ以外の場所では等高線から推定された10mDEMの場合があります。  あくまで,参考値としてご利用下さい。
【事務局報告】
三次元地盤モデル作成支援サイトを利用した作品例
 ここでは,標記サイトを利用して作成した三次元地盤モデルの作品を例示します。
  https://geonews.zenchiren.or.jp/cim3d/geomodeller/index.html
  ・東西3,590m,南北2,770mの範囲を101(36m)×81(36m)のメッシュでモデル化しました,
  ・地層は7層とし,下位から2番目の境界は侵食・堆積としてモデリングしました。
  ・200m間隔の南北方向パネルダイアグラムを18枚作成し,Web-GLにより可視化しました。
  ・本モデルは,https://geonews.zenchiren.or.jp/cim3d/cim3d_demo/ にアクセスし,
   [その他の三次元地盤モデル]⇒[WebGL(洪積層上面)[パネルダイアグラム]で,どなたでも自由に閲覧することができます。

イメージをクリックすると拡大します。
【編集後記】
 ニュースレターNo.112をお届けします。
 関東地方でも梅雨に入りましたが,皆様いかがお過ごしでしょうか。
 今総会では,役員が交代となりました。 過去の資源を食いつぶさないように,鋭意努力する所存ですので,よろしくお願い致します。